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写真を話す

  • Toshio Inose
  • 2016年4月24日
  • 読了時間: 2分

「話す写真」畠山直哉さんの本。

『芸術作品は、世間的な意味でのコミュニケーションに基づいて生まれるものではありません。あらかじめ自分と同じような人間を想定して、そこにボールを投げるような、そんな種類のコミュニケーションに基づいて生まれるものでは、決してないのです。・・・。そうではなく、芸術作品とは、誰が聞いてくれるか分からないけれど、とにかく大きな世界に向かって、自分の驚きや、心の底から大切だと思うことを、声にして呼びかける、そのようにして生まれるものです。』(p.077)

 「写真」と「写真術」、「写真家とアーティスト」・・いろいろと写真にまつわることを考えるときの種や肥やしになる話を読むことができる。結構前の本なので、最近出た「自然の鉛筆」とか大竹さんとの対談本なんかも一緒に読むと、さらに面白く読めると思う。

 写真なんてもんは、目の前の光景を写し取るしかできないと思っているし、でも、そこに何らかの目に見えないもんを感じることがあるのは事実だと思っている(写ってないのに!)というアンビバレントな私であるし、昨今の「何を撮ってもあなたのかけがえのない作品」的な風潮に疑問があったり、「誰でも写真家」みたいなノリも好きではないので、こういう「写真とは?」という万人受しそうもないことを考えながらファインダー覗くのも良いと考えている。

 これからは「デジタルカメラで撮ったものこそが『写真』、アナログな古典技法で写し取ったものは『写真にあらず』」なんて時代がくることを思うと恐ろしくもあるが、写真を撮り続けている限り、そんな話と切り離して写真を撮り続けるわけにもいかんくなる気がする。

 
 
 

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