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間口が広がり、レベルが下がる。

写真の間口は広がった。個人の発言の場も増えた(SNS)。


新しいメディア、スレッズ。暇な時に覗いているが、だいたい流れてくるのは写真趣味もしくは副業?の人の写真語り。ほとんどの場合は「誰が何を言ってもいいよね。いいねの数じゃ写真の良さは分からないよね。写真に正解も不正解もないよね。結局、良い写真っていうのは自分が決めるもんだよね」という自己解決してるポエム的な文章。しまいには「レンズの良し悪しも自分が決めればいいよね」という物理的なレンズの開発目標すら個人の感想に落とし込んでしまう。


まず、写真の正解、不正解はある。業務の場合は特に。使われた写真が正解。使われなかった写真は不正解。つまり、業務使用でない、ただの自己満足写真ならば全て正解でOKだ。

で、レンズの良し悪しは、ある。ザイデルの5収差を皆無なレンズが究極のレンズ。しかし、それは物理的に作れない。ゆえに、それらの収差をできる限り無くしたレンズが良いレンズ。好きなレンズを良いレンズと言い換えることは、誤解を生むのでやめた方が良い。


ネットが普及していない頃なら目につかなかったであろう素人の戯言が、今や誰にでも目にすることができるようになった。しかも、同じような素人にはその戯言が受け入れられる。こうして時代が変わっていく感。


誰にでも撮れるカメラは、誰にでも写真を撮らせてくれるが、使っている人間の自己顕示欲や承認欲求をSNSの利用と組み合わせて増大させる。多くの人が撮れば撮るほど、発言すればするほど、写真は芸術から遠ざかり、俗物となりながら品と制作のレベルを下げていく。


素人レシピの溢れてしまったクックパッ◯、赤字続きでリストラ続出だそうで(2023年11月現在)。

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