変わったライカ
- Toshio Inose
- 2024年6月4日
- 読了時間: 2分
ライカを使う人が変わっていっているように感じた。
M12のリーク記事についたコメントの数々を読むと、昔のライカユーザーと今のライカユーザーは違うことに気づいた。
コメントには「EVFが良い」「フジのようなOVFとEVFの切り替えがほしい」など書いてあった。今は、「ピントを拡大して撮影する」時代なのだ。しかし、そもそもレンジファインダーのカメラとはそういう類の撮影方法をするものではなかった。速射性が売りだったのだ。
被写界深度を頭に入れて絞りを決めておき、目測で被写体までのあたりを付けてレンズの距離リングをおおよそ決め、ファインダーを覗いた時にはレンジファインダーでのピント合わせはほぼ終わっており、確認程度にピント合わせをしてシャッターを切る。こういう撮影方法がライカの主流だった。だから、ファインダーを覗きながらレンズをグリグリするのはダサかったし、M6に露出計が入った時にファインダー内の表示がチラチラするのが邪魔で電池を抜くことも普通にされていた。とにかく、ファインダーはおおよその目安でしかなく、ピント合わせは技術と経験だった。
この技術と経験をカバーすべく進化しているカメラであるが、進化と同時に撮影者の技量は下がり、メーカーは技量も経験もない(が、金のある)ユーザーのために開発を進める。
悪貨は良貨を駆逐する。
下手が増えて、カメラがフールプルーフになっていくと、写真そのものが変わっていく。これも時代なのだ。
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