センス
- Toshio Inose
- 2020年10月30日
- 読了時間: 2分
芸大で絵を学んできたが、カメラ歴写真歴ともにほぼゼロの人の撮った写真にビビる。
センスしか感じない。
写真好きだから、とハウツー本やYouTube、しまいには各種写真表現WSなどにどれだけ通って、知識と技術を得ても、その一枚のような写真は多分撮れない気がする。
現在、知識も情報も簡単に得られるし簡単に知った気になれるが、本質的な部分での「センス」はちょっとやそっとじゃ得られない。「これさえ読めば写真が撮れる」「人気インスタグラマーに学ぶ写真」「あなただけの表現ができる写真の撮り方」全部、嘘っぱちだろうと思う。本を読んで、自分の写真が自分の創造を表してくれるなんて、あり得ない。
写真において、いまだに数世紀前の絵画的手法=構図、主題、云々が言われていて、現在の写真ハウツー動画でも素人の人がそれらしく説明しているが、そこに止まる限り写真の自由と可能性は閉じられている。本当の写真にしかない表現の重い扉を開くのは、写真について知識を得ることではなく、美しいもの、自分の関心を引くもの、何かしらを学べるもの・・・この世のすべてに興味を持って受け入れられるだけの器を自覚することだろうと思う。写真とは何なのかを永遠に考え続けることだろうと思う。撮影における技術的困難は、ほぼカメラが補ってくれるのだから、撮影者は自身と写真の内面を見続けるしかない。
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