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コンテストと写真

某地方紙の写真コンテストの結果が今年も発表された。

私自身はコンテストに応募したことはないのだが、知り合いの写真をやってる方々はコンテストに出している。というか、写真の一つの目標にしている。そんなコンテストだが、今年は上位入選常連の方でも入選すらしなかった。


原因ははっきりしている。その方の写真が変わったのではなく、審査員長が変わったからである。そのコンテストは毎年審査員長が変わる。数年前までは風景写真家と呼ばれる人が審査員長だったのだが、ここ数年は若いスナップ写真の雑誌作例を撮ったり、イベントのメーカーブースでトークするような写真家が審査員長になっている。ゆえに、コンテスト入選写真の傾向が変わったのである。写真コンテストには、そのコンテストの傾向のようなものがあり、傾向があれば当然対策もある。審査員長がどのような写真を撮っているかを調べて、その好みを把握した上で撮影し応募するのである。これは別にチートでもなんでもないと思うが。


件の写真コンテストの最優秀賞の写真を見ると、審査員長の撮影傾向とは異なるようにも思えるが、色合いや空間の開け方などを見ると、やはり今風な女子的ふんわりルックに見えなくもない(撮影者はおじいちゃんだが)。


何が言いたいかと言えば、写真コンテストの入選可否は審査員長の好みの問題であって、写真の技術でもなければアイディアが評価されるものでもない、ということだ。主催者は地元のカメラ販売店と提携して申込者のデータをプリントさせて応募させる。(自家製インクジェットプリントは応募不可である)入選写真は、同じようにお店でプリント(大判に引き伸ばし)させて、県の施設を借り切って展示させる。コンテスト応募者はそれなりの費用を支払うが、入選と展示という自尊心をくすぐってくれるコンテストをやめられない(「また来年も!」「来年こそは!」)


仕事の写真なんぞ誰から評価されてもディスられても仕方ない部分があるので何も感じなくなったが、アマチュアの写真好きの方にとっては、やはり評価されることは嬉しいことだと思う。写真を続ける上での目標としても、コンテストの意義はあるように思う。ただ、現状の件のコンテストは頭打ちだろう。審査員長一人ではなく、複数人にするか、応募写真をジャンルごとに分けるかしないと、写真趣味のベテランは離れていくように思う。


主催者は若い世代に応募してもらいたくて審査員長を選んでいるのかも知れないが、若い世代が興味あるのはSNSの写真であり、自分が興味ある写真でしかない。なんなら自分の写真にしか興味ないのだ。そんな世代にコンテストはもはや時代遅れなのかも知れない。


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