ライカとニコンとフジフィルム
- Toshio Inose
- 2022年1月14日
- 読了時間: 3分
仕事のメインカメラとしてフジフィルムを使うようになって1年か2年か3年か...くらい経つが、昨年の夏終わりくらいから再びニコンのカメラをボチボチ使うようになり、ついに今年元旦の撮影からX-H1とD810の組み合わせになった。
仕事での撮影の場合、「絶対にデータ消失を避ける」「何があっても撮影を続行できる」「どんな場面、どんなものでも撮れる」ということを優先するので、防塵防水、メモリーカードのダブルスロットは欲しい。その次以下で、手ぶれ補正だとか高感度ノイズの少なさ、周辺機器の使いやすさ(ストロボとかレリーズ、カードの取り扱いのしやすさ等)を考える。
元々、ニコンのD4とD800の組み合わせで仕事をしていたが(それ以前は、D700とD300)、D800をX-H1に替えるとサブカメラとしてX-T2とX-Pro2を使うようになりD4の出番は無くなった。もちろん、EVFの使い勝手には当初唸ったが、それも慣れてくると特に気にしなくなった。つまり、EVF以外に不満はなかった。バッテリーの保ちに関してはフジフィルムのカメラはバッテリー自体が小さいので予備をたくさん持っていても邪魔にならないし、何なら縦グリップも使っていたので問題なし。撮影データの保存や読み出しでエラーが出たことはなく、カメラ自体に電源エラーみたいな動作停止が数度あったくらいで、これはD800でも体験済みだったので対処できた。雨がバシャバシャ降る時も、真夏の太陽の下での撮影も、真冬の極寒野外の撮影でも問題なく動いてくれた。つまり、フジフィルムのカメラは、業務使用に耐えるカメラなことを証明していた。なのではあるが、D810を使うようになった理由は、完成された一眼レフの安心感、そして、ファインダーの見え方である。
EVFが、慣れれば問題ないと言っても、電源オフからオンにした時のファインダー復帰の遅さにはなかなか慣れなかった。OVFなら覗いた瞬間向こうが見えるが、EVFは通電するまで何も見えない。それがコンマ数秒であっても、咄嗟の場合にはストレスになっていた。これには私の使い方、つまり、私はファインダーを覗いていない時は電源をオフにするということが関係するのは分かる(電源スイッチがレリーズボタンと同軸上にあるニコンとフジは、その点で私に向いている)のだが、カメラを握ったまま瞬間的にファインダーを覗いてレリーズしたい時に、指はレリーズボタンを押そうとしている瞬間にファインダー内が真っ暗なのは嫌だったのは、結局慣れていない(ちなみに、フジフィルムのカメラはスリープからのファインダー復帰が絶望的に遅いのでスリープは使っていない)。
結局、時代に逆行して、EVFからOVFに戻りつつある。
で、ライカ。仕事の撮影以外でライカを使うのだが、ライカは「写真を撮影する」ことに最適な答えの一つだと思っている。私が持っているM8とM-Eは既に10年選手どころではないが、EVFはもちろんライブビューもないので、あれがよいこれがよいなどという迷いが出ない。フォーカスもマニュアル、「AFが遅い」「ピントがどこにくるのか分からない」ということも起きない。そもそもが高感度に強くないので高感度が必要なところでは「撮らない」という選択が出来る。ファインダーの中はシャッタースピードと露出の過多くらいしか表示がないので、余計な情報に惑わされることもない。要は、フィルムカメラのようなプリミティブなカメラ、つまり、写真を撮影できるってことしかできないカメラなのであり、そこがライカの魅力だと思っている。
ライカの最新機種が発表、予約を開始した。当然、そんなものは買えないが、やはり動画機能がないあたりを見ても、ライカはライカなんだな、と思う。日本のメーカーは機能を盛り込んで魅力的に思わせるが、ライカは機能を削ってくる。
いずれ、ライカだけで仕事の撮影が出来れば良いな、とか思っている。
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